遅くなりましたが、台湾からの支援に続き、タイからの様々な支援について紹介します。
既に様々なブログなどでも紹介されていますので、タイ好きな方はご存知なんじゃないかと思います。
でも、台湾ほどではないけれど、TVでの報道はやっぱり少なめ・・・。
また、本来、このブログはタイの情報ブログなのですが、ここ数週間は今回の震災関係の検索で訪問される方が半数以上です。
そんなこともあって、情報としてはやや遅いものが多いのですが、まとめて紹介したいと思います。
ところで、「タイからこんなに沢山の支援がありますよ」といういい話を書くつもりだったのですが、色々調べているとそれと同時、日本政府の情けない話にもどんどんぶち当たり、ちょっと愚痴っぽくなってしまったかもしれません。
そういう話は後半に出てきますので、読みたくない方は前半で止めておいてくださいね。
■タイ王室・政府からの支援色々
台湾同様、タイからの支援の決定も非常に早かったです。
3月11日にはプミポン国王とシリキット王妃が天皇陛下にお見舞いの書簡を送られます。
翌12日には、国王王妃両陛下からとタイ政府から、それぞれ1300万円の義援金を日本赤十字に送付されました。
さらに、15日には5.4億円(2億バーツ)の追加支援を決定します。
この金額はタイの外国に対する災害援助としては異例の金額だそうです。
物資支援としては、ワチラーロンコーン皇太子殿下より2万枚の毛布。
この毛布はジェット機で何度かに分けられて運ばれましたが、帰りには多くのタイ人を乗せて帰りました。
なかなか合理的というか、国民としては心強いですね。
私の前のタイ語の先生も利用しましたが、特別に安い値段だったようです。
先生は、タイで赤ちゃんを産んで日本に戻って数日後に地震を体験することになり、数ヶ月の赤ちゃんを抱え、さぞかし不安だろうなと思っていたので、タイに戻れて私もホッとしました。
また、皇太子の第一王女であるパチャラキティヤーパ王女からの救援袋等やその他政府等からの物資合計18tは、品川区役所を通じ岩手県宮古市に送付されました。
以上詳しくは、在京タイ大使館、及び在タイ日本大使館のサイトをご覧ください。
さらに驚いたのは、タイのエネルギー省と電力公社(EGAT)が電力不足に対応するために、ガスタービン発電機2基と付帯設備一式を東京電力に5年間貸与してくれることです。
専門的なことは全然わからないのですが、こういうケースはめったにないことみたいで本当にありがたいです。
(詳しくはこちらを参照ください)
■タイの民間からの支援
民間でも様々なチャリティイベントや募金などが行われています。
全てを紹介するのは無理なので、一部だけですが紹介します。
パタヤのタイ語の先生が真っ先に教えてくれたのが、次の2つ。
なお、彼女は震災直後に心配してメールをくれました。
↑ちょっと写真がボケてますが、タイでは誰もが知っているスーパースターだそうです。
彼がチャリティのTシャツを出したら、1時間くらいでものすごい数が売り切れたそうです。
タイでは、この他にも様々なチャリティTシャツが売られているみたいですね。
(追記)コメントを頂いて知ったのですが、この方はトンチャイ(愛称はバード)という名前で、有名な日本応援動画の歌を歌っているんですね。
この動画はネット上でも色々紹介されていて何度か見てましたが、画面の応援に感動するばかりで、歌っている人は全然意識してませんでした。(日本語の発音、かなりいいですよね。やっぱり耳がいい?)
タイ語の先生によるとタイではかなり影響力のあるスターらしく、そんな人が支援してくれているのは本当にありがたいですね。
↑タイの3チャンネルでの募金の呼びかけです。
また、タイのスラム街の人達までもが募金活動をしてくれて150万円も集まったそうです。
タイには1日働いても100B(300円)という人もいる国ですから、そんな国の150万円は有難すぎて、むしろ申し訳ないです。
ちなみにタイ語で「頑張って」は、「スースー」。
ニュアンスとしては、「ファイト!」に近く、他人に対していう言葉だそうです。
私もいくつか見ましたけど、タイの応援メッセージや動画では、よくこの言葉が使われていますね。
■支援の理由
台湾と違ってタイ人の知り合いは結構いるので、今回の支援に対してできるだけお礼を言うようにしてます。
すると、ほぼ必ず帰ってくるのが「スマトラ地震の時に助けてもらったから」という言葉。
この理由は台湾の場合と一緒ですね。
困った時に助けられると覚えていてくれる、まさに「情けは人のためならず」です。
それと同時に、タイの場合にはタイ王室と日本の皇室の長い間の関係もあるのではないかと思っています。
たまたま偶然ですが、地震の直前、秋篠宮殿下がタイのカセートサート大、チェンマイ大から名誉博士を授与されるとのことで、タイに訪問されていました。(なんと帰国日が3月11日です)
タイと言えば、秋篠宮さまというイメージでプミポン国王からは息子のように可愛がられているそうですが、実は天皇陛下も関わりが深いです。
以前、皇室特番でたまたま見たのですが、タイではポピュラーな魚、「プラーニン」は皇太子時代にタイ国民のタンパク質不足の解消としてタイに贈られたもので、名前の由来は「明仁」の「仁」だそうです。
このエピソードを詳しく書くとそれだけでかなり長くなってしまうので、興味のある方はこちらをどうぞ。(今回検索して1番詳しかったサイト)
この「プラーニン」、英語だと「ティラピア」です。
ティラピアと言えば、浜ちゃんの「芸能人格付けチェック」でいつも鯛と間違えられている魚ですね。
だから、案外、美味しいんじゃないかなあ。
私は、まだ意識してタイで食べたことはないんですが、今度食べてみたいです。
ちょっと話が逸れましたが、おそらくは政府間の繋がりとは別に、皇室との繋がりがあったからこそ、タイ王室からの支援が手厚かったのではないかと思います
そして、今回の震災で、対内的にも対外的にも、政府とは別に天皇という象徴があったことは本当に良かった。
(私は歴史好きなこともあって、子供の頃から天皇家好きなのでそう思うのかも)
対外的に日本の元首は天皇陛下ですから、各国の王室などからも多くのお見舞いが届いたようですし、何故かオバマ大統領も天皇陛下宛にメッセージを送っています。
まあ、今の日本政府のアメリカに対する対応を見ていると仕方ないと思います。
■日本政府が失礼すぎる
そして、段々と最初に断った日本政府の情けない話に入っていきます。
震災直後から、日本政府の対応には疑問だらけでしたが驚いたのがこちらの記事。
最初に読んだのはこの記事ではなく、東南アジアの国が毛布を支援しようとしたらサイズが違うといって拒否されたというものだったので、「もしかしたらタイ?」と心配していたら、インドネシアでした。
どこの国だとしても失礼な話なんですが。
しかし、この記事にはタイのことも書いてあります。
「タイは日本人の口に合うようにとタイ米1万トンのほか、もち米5000トンを送る計画だったが「輸送先などの明確な返答がなく」(タイ外務省当局者)支援を断念した。」
どこかで読んだんですが、15年くらい前のコメ不足の時に、タイ米をいっぱい輸入したのに不味いと評判が悪かったことから、日本人の口にも合うように最上級のタイ米を用意したそうです。
実は、この手の話は他にもたくさん読みました。
基本的に、中国と韓国以外に対しては結構失礼な態度を取っています。
私が1番疑問だったのは、原子力大国フランスからの防護服の無料提供を断って、何故か中国から輸入(たぶん有料)したというもの。
前回、134の国がなんらかの支援をしてくれたと書きましたが、正確には134の国が支援を申し入れ、実際に日本政府が受け付けたのは30ぐらいだそうです。(少し前の記事なのでもう少し増えている可能性あり)
まあ、中には受けるのが難しい支援もあったのでしょうが、正直、理解不能です。
これまでの日本からの支援に恩返しをしたいと、小さな国が一生懸命その国にできる支援を申し入れてくれたのに、それを断られてたら、不愉快に思ったり傷ついたしたりしなかっただろうかと心配です。
そして、管総理は7つの主要紙に今回の海外からの支援に対する謝意を掲載しました。(詳しくはこちら)
予算の関係はあったのでしょうが、できれば同時にメッセージを各国の大使館に送るとか、youtubeに動画をアップするなど、その他の国にも配慮できなかったのかなと思います。
その点、在タイ日本大使館が、タイの新聞にいち早く謝礼広告を出したのはすごく良かったと思います。
前述のパタヤの先生も知っていました。
しかし、広告料を払おうとしたら新聞社にいらないと言われたという、本当にコップン カー(ありがとう)です。
↑こちらがその広告です。
政府に対しては、言いたいことはいっぱいあります。
特に期待もしていなかったけど、ここまでひどいとは思わなかったというのが正直なところです。
ねじれ国会とか、官僚がということと関係なく、政府(内閣)は、国会での決議が必要な法律でなくても、政令、省令レベルで対処できることはたくさんあるはずなんですが。
国に求めることは色々あると思いますが、私は国の究極的な役割は昔ながらの「夜警国家」だと思っています。
福祉も経済も大事ですけど、国民を守るという根本に不安があっては、結局は国は豊かにはならないと思うからです。
もちろん全ての面でベストな政権が1番です。
でも、それはたぶん無理だから、よりベター選択をするために、いざという時に国民を守ってくれるかどうかということを第1条件に考えています。
異論はあると思いますし、ブログに書くのもどうかなとは思ったのですが、今回の震災後の様々な事象を見るにつけても、つい書いてしまいました。
ところで、前回、台湾のTV報道がないと言ってましたが、ようやくありました。(4月14日のめざましテレビです)
そのうち消えるかもしれませんが、こちらです。↓
10分くらいですので、良かったら見てください。
そして最後に。
khop khun maak ka! thai コップン マーカー タイ
(本当にありがとう! タイ)
次回からは、通常のブログに戻る予定です。
更新ももう少し頑張ります。
それでは、また。
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この記事へのコメント
※「THAI FOR JAPA」のTシャツ持ってるのはトンチャイ(バード)ですね。
バード・トンチャイの日本支援曲毎日聞いています。
ありがとうタイ。という気持ちです。
Pray For Japan
http://www.youtube.com/watch?v=YCtWAkTg5PI&feature=related
【親日タイ】タイは日本の味方 Thai For Japan (JAPAN QUAKE TSUNAMI RELIEF)
http://www.youtube.com/watch?v=zgy8bFVWM2E
http://www.youtube.com/watch?v=r8qLYR3-9Lg&feature=related
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THAI FOR JAPAN (JAPAN QUAKE TSUNAMI RELIEF)
日本支援キャンペーンオフィシャルMV
Ashitano Tameni(♪明日のために♪)
いーく・まい・なーん・・・ごー・ちゃ・ぺん・うぇらー・こーん・わん・まい
(もうすぐ 新しい日が訪れる)
いーく・まい・なーん・らお・こん・へん・どぅあん・とわん・
そん・せーん・てぃー・とろん・こーぷ・ふぁー
(もうすぐ 地平線に太陽の光が見えてくる)
いーく・まい・なーん・・・れーん・ちやい・てぃー・もっと・ろん・ぱい
ちゃ・ふーん・かむ・らん・ふぁ・ちゃい・はぃ・くーん・くらっぷ・まー
(もうすぐ 失った気力と心の力を取り戻せるだろう)
いーく・まい・なーん・・・いーく・まい・なーん・・・
(今すぐ 今すぐ)
くるーん・るーく・やい・ぱーん・ぱい・・・てぃん・わい・ぴん・くるーん・なむたー
(大波が去り 涙の波だけが残された)
くるーん・なむちゃい・かお・まー・とっ・てーん
(それを思いやりの波に変える)
むあ・ふぁー・だい・りっきっ・・・くらちゃー・ちーうぃっと・なっぷ・せーん
(運命が多くの命を奪っていった)
ぱーと・なむたー・れーんけーん・・れーぉ・どぅーん・とーぱい
(それでも涙を拭いて 歩き続けよう)
れーぉ・まん・ちゃ・ぱーん・ぱい
(辛いことはやがて過ぎ去っていく)
(日本語歌詞)
波が去り 残した涙 愛の手で 癒そう
悲しみや 今のつらさ 涙こらえ 立ち向かおう
明日のために
今から歩き出そう 未来へ 立ち止まらず 振り返らないで
あきらめず 立ち上がり あふれる希望 この胸に
今から 今すぐ
****************************************
原曲:2004年12月26日・スマトラ沖地震の復興支援曲
Eek Mai Naan
http://www.youtube.com/watch?v=beGA6MHPQO8
> どこかの会社でこれから支援してくれた国へ渡航する人向けに対象国の言語で書かれた「支援ありがとう!」Tシャツとか作ってくれないかな〜 当然売り上げは復興支援にするということで。
感謝Tシャツいいですね!
トンチャイ(バード)の名前もありがとうございます。
タイの芸能人はネコジャンプと昔山Pと組んでたゴルフ&マイクしかしらなくって・・・
なるほど! これを歌っているのがバードさんなんですね。
この動画は何度か見たのですが、画面の応援にウルウルするばかりで、音楽には全く気をとめてませんでした。
教えてくれてありがとうございます。
ひらがな読み歌詞もいいですね。私もヒアリングの勉強に使ってみます。
せっかくなので、動画の一部を追記で紹介させていただきます。
トンチャイ・メッキンタイ(バード)について少し書きます。
バード・トンチャイ<誕生日:1958年12月8日>2011年現在52歳
1987年23歳の時サバイ・サバイという曲が大ヒット
この曲は現在でも訪タイするたびに良くバンド演奏などで聞きます
http://tem2song.blog121.fc2.com/blog-entry-1174.html
__[ひらがな表記の歌詞]ブッサバー=アイスです(笑)
SABAI-SABAI (Thai Song) by ThongChai McIntyre (23歳頃)
http://www.youtube.com/watch?v=DZIix5BO_pw&feature=related
BIRD & SEK CONCERT (SABAI SABAII ) (46歳頃)
http://www.youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&v=ih4waVJ6ON8&mode=related&search=
映画「クーカム」、邦題「メナムの残照」
Khu Kham-Bird Thongchai McIntyre (37歳頃)
http://www.youtube.com/watch?v=wYrL-rFseIQ
Thur kon dio-BIRD Thongchai McIntyre (映画「クーカム」の主題歌・映画の一部が数多く使われています)
http://www.youtube.com/watch?v=eXvAlnFvW_4&feature=related
日本人の知らない日本人
http://birdjfan.exblog.jp/6308023/
・・「今ではレア物となってしまったこの映画VCD。見つけたら即買いです!」
とある通り私は[トムヤンティ著の本「メナムの残照」&映画VCD「クーカム」]はバンコクで購入しました。
この映画でバード・トンチャイが日本人役を演じたことにより親日タイ人が多くいるような気がします。
http://blog-imgs-41.fc2.com/u/b/o/ubon/khukam2.jpg
http://birdjfan.exblog.jp/1022274/
http://ubon.blog78.fc2.com/blog-entry-81.html
http://kuruzou.zero-yen.com/sunset.htm
バードさんは、52歳なんですか! てっきり30代かと思ってた。
そして、日本人を演じてたこととか、この映画のこととかも全然知らなかったです。
だから、このような支援もしてくれたんですね。
今回、様々な国が様々な理由で支援をしてくれていますが、色んな知らないエピソードに触れることも多いです。
震災そのものは本当に悲しい出来事ですが、そういう色んな話には感動してしまうこともしばしばです。
教えてくれてありがとうございます。
映画クーカムの主題歌は別にJapanese versionがあり日本語でも歌っています
(คู่กรรม) Japanese version-BIRD Thongchai McIntyre
http://www.youtube.com/watch?v=3bXxXWkBjaA&feature=related
松崎しげるの曲/[君がいればそれでいい]を日本語でバード・トンチャイが歌っていますね
君がいればそれでいい(松崎しげる)
http://www.youtube.com/watch?v=Kp4bxs2tWDs&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=c3WX0zO1T-o&feature=related
BABB BIRD BIRD show 2003
Bird-Japanese songs[ I love you]&[君がいればそれでいい]
http://www.youtube.com/watch?v=kFGX85Z6rh0&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=sOFQqtdfMUU&feature=related
BABB BIRD BIRD SHOW 2003 Together (VCD CONCERT)
バード・トンチャイ&ブアチョンプー&ピムが歌う[Bird Thongchai & Bua Chompoo Ford & Pim (Zaza)]
♪「君がいればそれでいい」♪
逢いたい 君にさえ 素直になっていないよ
何かにしばられて どこにも 行けないよ
★アイラブユー アイラブユー よくある事さ
アイラブユー アイラブユー だけどこれしか
アイラブユー アイラブユー 思いしかない僕なのさ★
君がいればそれでいい それでいい
信じ合えたなら 他には欲しくない
君がいればそれでいい それでいい
命の限り 僕は君を
永遠(とわ)に 僕は君を愛したい
(どうしたんですか? はい、そうですね!)
バードがコンサートなどで日本語で歌っているところからも分かるように、
親日なので今回の震災に心を痛めているのだと思います。